歯の移植とは
歯の移植は、まだ世間でよく知られているわけではありません。
しかし、失われた歯を補う方法としてはとても有力な方法のひとつです。
歯を失った場合は、義歯(入れ歯)やブリッジ、あるいはインプラントを使う場合がほとんどです。
しかし、もしスペアの歯(多くは親知らず)が口腔内に存在し、移植する部分との条件が合えば、歯の移植という選択肢が可能となります。
自分の歯を移植する(自家歯牙移植)ため、感染や免疫の拒絶反応もなく、とても良い治療です。
しかし、歯の周りについている歯根膜という線維が重要な役割を果たすので、移植する歯の歯根膜の活性度がとても重要となります。
この活性度は、年齢と大きな相関性があるので、基本的には年齢が若い方の方が成功率は高くなります。
術前
術後:上の前歯3本の重なっているものを①と②に移植
歯牙移植の仕組み
歯牙移植では、機能していないご自身の歯を用います。
親知らずが残っていれば、それを用いることがほとんどです。
移植の際は、歯そのものだけではなく歯根膜も合わせて移植します。
移植が成功すれば元の歯と同じ使い心地を取り戻すことができます。
移植手術の成功率は平均して、80~90%とされていますが、以下の条件がそろうと、成功率は高くなる傾向があります。
- まだあまり年齢を重ねていない(特に、40歳以下)の場合
- 抜歯から2ヶ月以内に手術を行えた場合
他人の歯を移植することは、免疫的に拒否反応を示すためできません。
※ 症例や個人差など歯と顎の状態によりできない治療もございます。
歯牙移植の適応かどうかは、十分な検査と診断が必要となります。