歯周病は、プラーク(細菌の塊)が溜まり、歯と歯グキの隙間に落ち込むことで進行を招きます。

プラーク(細菌の塊)は次第に、歯石やバイオフィルムという集合体を形成し、いったん出来てしまった歯石やバイオフィルムは歯磨きだけでは除去できません。

この歯石やバイオフィルムを除去するには、衛生士による施術が必要となります。

衛生士による歯周病治療は、歯周ポケットが5ｍｍ以下の状態か、一旦治療が終了し、改善した状態を維持するために定期的なチェックと清掃を行います。

さらに進行して、歯周ポケットが5ｍｍを超える状態が増えてくると、専門医による治療を行っていきます。

超音波振動をしている金属チップを歯石が付いている所に当てて、歯石のみを砕き取り除きます。
これだけでは、完全に歯石を除去することや歯根表面を滑沢な状態に仕上げることができません。

超音波スケーラーで取れない箇所にある歯石をとります。歯並びの複雑な部分や超音波スケーラーのチップが届かない所にある歯石を取るために使います。

そこで、その部分は、経験を積んだ歯科衛生士の手でじっくりと除去していきます。

歯科医院で専門的に行う、お口のケアプログラムのことです。

歯石除去を行った後は、歯の表面のステインやﾊﾞｲｵﾌｨﾙﾑの除去のため、機械的に研磨を行って仕上げます。

ふだんの歯磨きでは取りきれない歯の汚れを落とします。
口臭やむし歯、歯周病予防の効果にもつながります。
（タバコのヤニ取りやステイン除去は基本的には疾患ではないため、保険診療の対象とはなりません）

歯周病が進行し、5ｍｍ以上の歯周ポケットが形成されると、エキスパートである歯科医師や衛生士でも完全に歯石を除去するのは不可能となります。

この場合、外科的な処置（歯肉を切開し、歯石を確認して除去を行う）を行って、完全に歯石を取ってしまします。

同時に、治療後の清掃の効果があがるよう、でこぼこになった骨の形も整形する場合があります。
歯石を取り去ることによって、炎症がなくなり、歯ぐきが腫れたり、口臭もなくなります。

治療が終了しても、その後また歯周病が再発してしまっては意味がありません。

また、歯周病治療をせずに、メインテナンスを行うことも意味がありません。

なぜなら、もっとも歯周病進行の原因となるポケットの中の歯石を除去せずに、見えている所の歯石だけを取っても歯周病治療を行っていないからです。

歯医者に行っているのに、どんどん進行するほとんどは、歯周病治療を行っていないからです。
メインテナンスを行う前に必ず、歯周病治療をしましょう。

歯周病治療をせずに、定期的なクリーニングを行っても歯周病の進行を止めることはできまん。
治療した歯や歯ぐきの状態を点検(メンテナンス)し、お口全体のクリーニングを行って歯周病になりにくい口腔環境を作っていくことが重要となります。