こんにちは。大阪市福島区の歯医者　富永歯科クリニック歯科衛生士、陣内彩香です。今回は子供の歯についてお話ししていきます。子供の歯と大人の歯の違いはご存知でしょうか？簡単にまとめると乳歯、永久歯（大人の歯）と２つに分類されます。まず、乳歯は20本、永久歯は28本（親知らずを含めた場合は32本）と生えてくる歯の数もかなり異なります。そして色は乳歯は白く、永久歯は少し黄色味をおびた白色で、大きさは乳歯よりも永久歯の方がふたまわりほど大きいです。そしてなにより乳歯は、永久歯に比べて歯質が柔らかいので虫歯になりやすく虫歯になっても気付きにくいので進行するのも早いです。乳歯と永久歯の違いを理解していただいた上で、次に乳歯と永久歯の生えはじめる時期についてご説明します。

乳歯が生えはじめる時期

乳歯が生えはじめる時期や順番には個人差はありますが、一般的に生後6〜7ヶ月頃に下顎の前歯（A）から生えはじめます。もし、生後8、9ヶ月を迎えても下顎の前歯が萌出せず不安を抱えている保護者の皆様安心してください。生え替わりの時期の差については、前後半年間が許容範囲とされています。みんながみんな一緒という訳ではないということです。ただ全く生えてくる見込みがなかったり、このままで大丈夫かと不安を抱えた場合は、いつでもかかりつけ医に相談してみてくださいね。

混合歯列期（乳歯と永久歯が共に生えている期間）から永久歯列に生えそろうまでの期間は大体6〜7年の期間が必要になります。なので、12歳〜13歳（小学6年生〜中学1年生）頃までに第3大臼歯（親知らず）を除く永久歯は全て生えそろうということになります。

第3大臼歯（親知らず）の存在

親知らずと呼ばれる第3大臼歯は、「生える方」「生えずに骨の中に埋まっている方」「そもそも存在しない方」がいます。第3大臼歯（親知らず）が生えてくる時期は、17歳〜21歳頃といわれています。第3大臼歯の存在の有無がわからない、第3大臼歯あたりに何か症状がある場合は歯科医院でパノラマレントゲン写真で確認してみることが最善策です。また、親知らずを抜いたら小顔になるからと抜歯を決意する方もいらっしゃいますが、抜歯したからといって小顔になることはありません。

生え変わる時の注意点

永久歯の萌出時期は、乳歯の萌出時期と同じく個人差があり、乳歯は抜けたものの永久歯が3ヶ月～1年ほど生えてこないこともあります。この原因としてあげられるのは、「永久歯や歯周組織の元となる歯胚が作られていない」「過剰歯がある」「生える方向に問題がある」など、さまざまな可能性があげられます。生えてこないけどまあ大丈夫だろうと独断で決めてしまうと、永久歯萌出異常に気付けない場合もあります。萌出時期を過ぎても生える気配のない場合は、視診に加えてレントゲン写真などで状況を確認しましょう。

また、乳歯が抜けないまま、永久歯が生えることもあります。乳歯が抜けないことを、乳歯の「晩期残存」とよびます。乳歯が抜けてもおかしくない時期なのに、まだ抜けていない。そして、永久歯が別の場所から萌出してきた場合はすぐに歯科医院への相談をお勧めします。

今回は乳歯と永久歯の違いについて簡単にお話しさせていただきました。生え変わりにも個人差があることを理解していると、保護者様の安心感もかなり変わってくるかなと思います。もし乳歯と永久歯の生え変わりについて不安な場合は、いつでも歯科医院にご連絡してください。

富永歯科クリニック　衛生士　陣内彩香