こんにちは。大阪市福島区の歯医者「富永歯科クリニック」歯科衛生士 中西です。
今回は、知っているようで意外と知らない、歯ブラシや歯磨きのお話をさせて頂きます。
「歯ブラシを買おうとドラッグストア等に行くと、色んな種類がありすぎて、どの歯ブラシを選べばいいのか悩んでしまう。」という相談があります。
どのような歯ブラシを買う?
歯科医院で一般的にお勧めする歯ブラシの特徴をあげます。
・歯ブラシの毛の硬さは普通
・ヘッドの大きさは小さめ
・持ち手からヘッドまでの歯ブラシの首の部分が細く長い物
・ヘッド歯ブラシ植毛部分のプラスチックの部分が薄い
では、この条件を満たした歯ブラシで磨けば、誰でも綺麗に磨けるのか?と言えば、残念ながらそうとは限りません。子供の頃から何十年?と毎日歯磨きしてきた、お一人お一人の磨き方の癖があります。ご自分では、それほど力を入れていないと思っていても、力の強さや歯ブラシの動かし方などによって、歯が摩耗して削れてしまい知覚過敏の原因になることがあります。
さらに、力が強い上に早く磨き終わろうと大きな動きでスピーディーに磨いていると、肝心な歯と歯の隙間や歯茎のきわに汚れが残る原因になります。
また逆に、歯の表面がツルツルピカピカに綺麗に磨けていると思っていても、歯茎に触れずに優しく磨きすぎていると、実は歯茎が脆弱(ぜいじゃく)で、炎症をおこしているということもあります。このような歯茎の状態の場合、普段の歯磨きでは出血しない方が多いのですが、実際は炎症が起きている状態なので、歯間ブラシを通してみたり、歯茎に歯ブラシを当ててみると簡単に出血する事が多いです。
どちらの磨き方も、汚れが残っていたり歯茎に炎症が起きているので、その状態が続くと虫歯や歯周病が進行してしまいます。
歯の質の強さや唾液の成分の違い、口腔内の菌の種類の違いによって、虫歯や歯周病になりやすい、なりにくいという差は人によりありますが、お口の中に汚れを出来るだけ残さない(量・時間共に)ようにしなければなりません。
また、どんなに上手に磨けても、歯ブラシだけでは6割程度しか汚れが除去できないと言われています。
補助的な歯磨き道具
そこで歯間ブラシやフロス、糸ようじなどの使用も大切になってきます。
歯間ブラシは、芯が針金になっている物や、ゴムでできた物があります。サイズは、SSS, SS,S,Mなど、多種多様です。ご自分でピッタリなサイズを選ぶのは難しく、お口に合った物を使わないと、せっかく毎日使っていても汚れが取れていなかったり、歯茎や歯を傷つけている事もあるので、歯医者さんでチェックしてもらってください。
慣れない方は、歯ブラシ以外に他の道具を使うのが、大変で面倒に感じてしまうかもしれません。しかし、少しずつ使い方が慣れて上手になると、お口の中に汚れが残っているとすぐにわかるようになります。
磨き方のお手伝い
「どこが磨けていないのか?」「どこかを磨きすぎていないか?」「どんな歯ブラシを使って、どこをどう磨けばいいのか?」いろいろな疑問があると思います。
わからない場合は、歯医者さんで検診やクリーニングを受けてください。私たち歯科衛生士が、客観的に歯や歯茎の状態を見ていただき、ご自分に合った磨き方や歯ブラシのアドバイスや、歯磨き方法の改善につながるお手伝いをさせていただきます。
「教えてもらってもなかなか癖が治らない」「うまく磨けない」とおっしゃる方がいらっしゃいますが、必ずお口の中の状態は良くなってきます。
お口の中が健康になると、食生活の改善、全身の健康につながります。ぜひ、諦めずに毎日の歯磨きを楽しめようになってもらえると嬉しいです。歯磨きに関して、わからない事があったら、遠慮せずに何でも聞いてくださいね。
歯科衛生士 中西 里香