こんにちは。大阪市福島区の歯医者 富永歯科クリニック院長富永佳代子です。皆さんは、歯医者さんに定期的に通院していますか?「歯が痛くなった時」「詰め物、被せ物が外れた時」「歯ぐきから血が出たので心配になって」など、また「治療が終わったら行く必要がない」とお考えになっていませんか?今回は、定期的な歯のメインテナンスの大切さをお話します。
定期的メインテナンスとは?
歯の定期的メインテナンスに、どんなイメージをお持ちですか?歯科国民皆受診を行うことがニュースで流されていますが、どう違うの?と思う方もおられることでしょう。
定期的メインテナンスは、定期的にお口の診察や検査を受けるだけではありません。プロフェッショナルクリーニングでプラーク(細菌の塊)を徹底除去し、生活習慣をチェックして虫歯、歯周病の原因を突き止め、その予防のための指導を行い、日々の家庭での歯磨き改善、食生活改善をおこなってもらうことです。つまり、歯科医院と皆さんがお互い寄り添い協力し合い、歯科医院は原因究明と改善法の指導、皆さんはその実践を担当して、定期的に経過を確認し良い状態を維持していくわけです。
いつから始めるのでしょうか?
定期的メインテナンスは、子供の頃から始めると、最も効果があります。歯は極力削らないほうが、丈夫で長持ちします。永久歯は、生えた当初は柔らかく未熟なため虫歯になりやすいので、予防処置が重要となります。中学生の頃に、7番目の奥歯が生えそろい、永久歯列が完成します。高校生卒業くらいまでに、大きな詰め物がなく、歯磨き習慣を身につけることが目標です。子供の頃、乳歯に虫歯が多くても治療処置を行い、定期的メンテナンスを受けている場合、永久歯は虫歯ゼロの方もおられるので、あきらめる必要はありません。
ミドル世代、シニア世代の方へ
歯の大切さを実感される年齢は、50代くらいでしょうか?若いころに治した詰め物、被せ物が長年の噛む力により劣化して、傷んでくるのがこの世代です。被せ物の傷んでいるところから、虫歯菌が侵入してしまい、気づかないうちに虫歯になっていた。また、日々の磨き残しのプラークにより歯石が溜まり、歯周病が進行し、歯がぐらぐらしてきて、抜歯になるのもこの年代です。
歯周病は、プラーク除去不足の積み重ねによっておきますが、歯みがきのやりすぎによって起きる弊害もあります。ゴシゴシ磨きすぎで歯ぐきが下がる歯肉退縮問題です。歯の根っこは、虫歯に弱い象牙質なので、通常は歯ぐきに覆われ守られていますが、長年の自己流歯磨きで、歯ぐきをこすり続けていると、歯ぐきが退縮して歯根の象牙質が露出します。これでは、歯磨きが虫歯を作る行為になってしまいます。こうした気づかないうちに進行している問題を見つけ対策を行い、進行を止めたり遅らせて歯を守るのが定期的なメンテナンスの目的となります。
定期的に診察、検査とクリーニングを受けていただき、過剰な力から歯を守る対策を行い、フッ素塗布や食事指導で虫歯予防をします。適切な歯磨き方法を身に着けることにより、歯ぐきの退縮防止、歯周病の進行防止をすれば、ミドル世代、シニア世代の歯を守り長く持たせることができます。早く始めるほど効果が期待できます。
注意ポイント
歯軋り噛みしめ癖に注意?
ご自分の無意識な癖に気づいていますか?神経を取った歯や詰め物のある歯は、過剰な噛む力によって破折しやすいい傾向にあります。睡眠中の歯ぎしりや食いしばり、日中の噛みしめはありませんか?夜間就寝時の噛みしめには、マウスガードを使い、日中の噛みしめは、気をつけて減らしましょう。
自己流歯磨きは注意!
歯磨きを一生懸命されている方によく見られる歯肉退縮は大問題に発展しかねません。歯ぐきに歯ブラシの毛先を差し込んでゴシゴシ磨きすぎていませんか?歯磨きの自己流癖は、なかなか治らないので、歯科医院で定期的に歯磨き指導を受けましょう。
歯医者さんにお任せは、注意!
定期的にメインテナンスを受けて歯をクリーニングしているから、大丈夫!と思っていませんか?歯の汚れ、プラークは数日で沈着してしまいます。歯医者さんにかかっているらからと、歯磨きを怠っていると大変なことになります。プラーク除去は、毎日ご自分で丁寧にを心がけましょう。
富永歯科クリニック 院長 富永佳代子