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大人の歯の矯正  Part 2

2024年2月23日

こんにちは。大阪市福島区の歯医者 富永歯科クリニック院長富永佳代子です。前回に引き続き、大人の矯正治療についてお話します。今回は、矯正治療に先だち、知っておいてほしい重要ポイントについてお話します。

治療前に知ってほしいポイント

治療の流れ

マウスピース型矯正の治療の流れは、①矯正治療のための精密検査 ②診断、検査結果、知用方針の説明 ③治療計画の決定 ④マウスピースの完成、受け渡し ④アタッチメントの歯への装着 ⑤自宅でのマウスピース装着、定期的な交換 ⑥定期的に歯科医院を受診 ⑦追加のマウスピース製作、装着 ⑧全マウスピースに使用終了 ⑨保定装置の装着、⑩メインテナンス と、かなりのステップがあります。

本人の協力が大事

ワイヤーによる矯正治療では、定期的な通院により、歯科医師が矯正装置を調整することにより歯を動かしていきます。調整を怠らなければ、確実に歯は動いていきます。

マウスピース矯正治療では、患者さん自身がマウスピースを一定時間装着し、歯が移動させるため、形の違うマウスピースを定期的に交換し、歯並びを整えていきます。取り外し可能なためマウスピースを装着しなければ、歯の矯正は行えません。大事なことは、患者さん自身の協力にかかっているということです。一般的は、毎日20~22時間の装着時間が必要となります。これは、食事時間以外はマウスピース装着をすることが望ましいということなので、患者さん自身の協力が必要不可欠です。通常、マウスピースは2週間に一回定期的に交換となります。装着時間が短かったり、指示通り装着、交換していないと、治療期間が長期化してしまいます。

治療前の検査

治療前の検査は、治療計画を立てるためにとても大事な項目です。矯正治療では、ワイヤー矯正、マウスピース型矯正、どちらにおいても、以下の精密検査を行います。特に重要なのが、頭部X線規格写真撮影です。歯や顎、横顔の風貌など、現在の状況の把握が大事であり、今後の予測を立てるために必要不可欠となります。また、治療途中においても適正に歯の移動ができているか、顎の骨の状態、顔、口元の状態を把握するために撮影することもあります。

①口、顔の写真撮影

歯並びや噛み合わせの状態、虫歯や歯ぐきの異常などを知るために、お口の中を様々な角度から撮影します。また、顔の正面、横顔、笑顔も撮影します。

②レントゲン写真撮影

頭部の正面、側面の頭部X線規格写真撮影を行い、上下の顎の位置や歯の生えている角度などを、細かく分析して状態を把握します。これは、適切な矯正治療を行う上で、最も重要な検査となります。また、虫歯や歯周病などの問題、親知らずの有無、顎の骨の状態の把握のために歯科パノラマレントゲン撮影を行います。

③模型製作用の型取り

装置の製作のために、歯型の石膏模型を作製します。従来からの方法である印象材での型取り方法に加えて、3Ⅾスキャナーで3次元的な撮影を行い、3Ⅾプリンターから模型製作も行えるようになってきているので、型取りに苦痛を感じる方も、ストレス緩和になってきています。

④その他

必要な場合は、歯周病検査、CT撮影をすることもあります。

マウスピース型矯正が絶対ではない

検査の結果、マウスピース型矯正が不向きであると、診断される場合もあります。マウスピース型矯正が苦手とするのは、「斜めに傾斜した歯をまっすぐに引き起こす場合」、「ねじれて生えている歯を、回転させて適切な位置にする場合」、「歯を抜歯して矯正をする場合」、「矯正移動距離が長い場合」などは、ワイヤー矯正の方が、適していると判断します。

近年、マウスピース型矯正が周知され、進化し対応できるケースが増加傾向にありますが、3次元的に歯の移動がしやすいワイヤー矯正治療の方が、適応範囲が広いことをご理解ください。マウスピース型矯正を希望して来院しても、ワイヤー矯正を勧められることもあります。また、両者併用の場合もあります。

次回も引き続き、重要事項について、お話します。

富永歯科クリニック 院長 富永佳代子

 

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