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口腔機能低下症とは? Part2

2021年8月14日

こんにちは。大阪市福島区の歯医者 富永歯科クリニック 院長富永佳代子です。前回に引き続き、お口の老化についてお話しします。

加齢による口腔機能低下症

引き続き具体的に お口の機能の低下とサインについて考えてみましょう。

⑤複合的な変化が原因

サイン

物が飲み込みにくい 食べ物がのどにつかえる

カプセルや錠剤が飲み込みにくい

食事中、食後に喉がごろごろする

喉に食べ物が残る感じがする(特にトマトの皮、ホウレンソウなど)

食べるのが遅くなった

人と食事をしたとき、いつも自分が最後まで食べている

お口の中に食べ物が残る(特にひじき、ひき肉、ごまなど)

寝ているときに口の渇きやいびきをかく

⑥その他の原因

サイン

硬いものが食べにくい(フランスパン、りんご、いかなど)

食べ物や酸味に強い物(酢の物、オレンジジュース、胃液など)が胃から喉に戻ってくる

ガラガラ声、声がかすれてきた

予防法は?

口腔機能低下症は、筋肉の衰えから始まります。唇、頬、舌、喉頭蓋の弁を鍛えるトレーニングをご紹介します。

①唾液腺マッサージ

耳下腺(耳の横より少し前)舌下腺(顎の下)顎下腺(顎の下から後ろに向かって)をそれぞれ10回程度くるくる回したり優しくマッサージします。一日3セット

顎の裏や両耳の手前にある唾液腺を刺激することによって、唾液の分泌が促進されます。

②ベロ回し

お口をしっかり閉じて、舌を歯と唇の間に入れます。歯の表面をなめるように、舌を1方向にゆっくり大きく10回ほど回します。反対方向にも10回回します。1日3セット

舌の根元の筋肉が鍛えられ、食べ物を喉に送り込む力がアップ。

唇や頬に筋肉がつき、舌や頬を噛みにくくなります。

お口周りの筋肉が引き締まり、ほうれい線の改善。

唾液腺が刺激され、唾液の分泌促進

喉頭蓋の強化につながります。

③上向きうがい

10~15秒上を向いてうがいを一日三回。(起床時、食前など)

のどの周りの筋肉強化、細菌感染防止で一石二鳥です。

④ペットボトル

2リットル入りの空のペットボトルを加え、息を吸って凹ませ、吐いて膨らませます。一日三回。

但し二酸化炭素が増えるので、一回ごとに休憩を取り、無理をしないでください。

喉の筋肉強化、肺活量の増加、唇、頬の筋肉強化に繋がります。

⑤パタカラ体操

「パ」「タ」「カ」「ラ」のそれぞれの音を5秒間発音し続けます。(パパパパパパパ、、、のように)

パの音 唇の筋肉強化

タの音 舌の先の筋肉強化

カの音 舌の奥の筋肉とのどの筋肉、喉頭蓋の弁の強化

ラの音 舌の先の筋肉強化

歯科と口腔機能低下症

研究結果では、60歳以上で嚥下障害を起こすような基礎疾患のない方でも、約半数に機能の低下が認められます。75歳以上になると程度の違いはありますが、ほぼ全員の嚥下機能が低下します。ご自分の気になる症状をチェックして、改善するトレーニングを行ってみませんか。すべてを行うのは疲れるので、ご自分に合うトレーニングをまず1週間、1ケ月、3カ月と続けてみましょう。いつまでも豊かな食生活、明るく健全な生活を送るため、食事の出発点であるお口周りの機能を健康に保つため、ウオーキング、体操をするように、お口の体操と思って行ってください。歯科は、嚥下に直接関係する診療科です。また、小児から高齢者まですべての世代を診療し、予防についても関心が高い診療科です。嚥下障害の予防を指導するのに最適な診療科です。定期的に歯医者さんに通って、虫歯の早期治療歯周病入れ歯のメインテナンスをしてもらって、お口の健康維持に努めて下さい。老化による機能低下は、全ての人に訪れます。高齢化社会において、老化の速度を遅くして、元気に生活することを目標としましょう。「継続は力なり」です。

富永歯科クリニック   院長  富永佳代子

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