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歯の詰め物について

2021年12月10日

こんにちは。大阪市福島区の歯医者 富永歯科クリニック 副院長赤野弘明です。今日は、虫歯になった歯の修復についてお話します。

修復には二つのやり方があります。
①詰める
②型をとって、出来たものを接着する
修復方法にも保険適応のものと適応外のものがあります。
まずは保険適応の修復物についてお話します。

保険適応修復物について

①詰める方法

アマルガムレジン充填という二つの方法がありますが、現在ではアマルガムは水銀の化合物である事から使用されなくなり、ほとんどコンポジットレジンという、フィラーとレジンという化合物を使い、レジン充填を行います。
レジンは女性のネイルにも使われるので馴染みがあると思います。レジン充填は虫歯の部分を除去して、できるだけ歯質を温存できる利点があります。但し、毎日の食事による摩耗や有機物を含むため、経年的な変色や劣化については避けることが出来ないのが欠点となります。但し、顕微鏡を使ったマイクロ充填は保険適応外となります。

②型を取って、できたものを接着する方法

レジン前装冠金パラジウム合金レジン冠CAD/CAM冠があります。
前歯の6本はレジン前装冠が適応です。(見える部分がレジンというプラスティックでコーティングされたもの)前装部分はレジンなので、やはり経年的な摩耗と変色は避けられません。

小臼歯、大臼歯は、通常、金パラジウム合金のクラウンが用いられます。いわゆる銀歯です。利点は強度があること。欠点は、審美的な問題です。レジン冠やCAD/CAM冠は保険の規定により適応部位が限定されます。素材はプラスティックのため、強度が弱く、摩耗や破折が起こりやすい。変色しやすいなどが欠点です。
保険適応の修復は、印象(型採り)の材料指定がされていて、製作物も大量生産物に近いため、平均レベルのものとなります。衣料品でたとえるとユニクロのイメージです。安く、普通に機能するもの。但し、こだわりへの要求を満たすことが難しいです。

保険適応外(自費治療)の修復物

基本的に自費診療は、使用材料を術者が良いと思うものを自由に選択できますし、富永歯科クリニックでは、自費診療は、技工士も顕微鏡を使用して補綴物の適合を追求している自費治療の仕事しかしない技工士といっしょに仕事をしています。オートクチュールの服のようなイメージです。

私は、技工士も色々なランクがあり、保険の技工士は自費の仕事を高いレベルでできないと考えています。
例えば、回転ずししか握ったことのない寿司職人に高級店のカウンターで寿司が握れないように。
自費診療は、材料も最良であるのは当然ですが、品質も最高レベルであるべきなのです。

①詰める方法

保険診療と同じコンポジットレジンを使いますが、もう少しカラーのバリエーションを増やします。保険診療との最大の違いは、顕微鏡を見ながら行い、継ぎ目をできるだけ作らず、面もきれいに充填します。

②型を取ってできたものを接着する方法

素材のバリエーションは、大きく分けてメタルボンドe-max(二ケイ酸リチウム)ジルコニアがあります。それぞれの特徴は、メタルボンドは昔から使われてきた審美素材ですが、ベースにメタルがあるので、透明感を表現するのが苦手となります。ジルコニアなどに比べて強度が劣ります。e-maxは透明感が強く、強度もありますが、ジルコニアに比較すると強度は劣ります。従って、前歯のラミネートべニアなどの下地の色を利用した審美修復には向いています。逆に、ジルコニアe-maxに比べると、遮光性が高く、下地の色と反映させたくない場合などの前歯部修復にはe-maxより適応となります。

ジルコニアの最大の武器は、強度です。女性がアクセサリーとして使用する模造ダイヤのキュービックジルコニアと同じ結晶構造のため、非常に硬いので、インプラントの上部構造に特に適した素材となります。

簡単に書いたので、疑問点は治療の際に、遠慮なくご確認ください。

富永歯科クリニック   副院長 赤野弘明

 

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