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根面カリエスに注意 Part1

2022年1月10日

こんにちは。大阪市福島区の歯医者 富永歯科クリニック院長 富永佳代子です。
今回は、中高年に多い根面カリエスについてお話します。

「8020運動」80歳で20本の歯を残しましょう!のスローガンのおかげで、高齢になっても多くの歯を残せている人が増えてきました。しかし、それに伴い、別のタイプの虫歯が増えてきていることをご存じでしょうか?

根面カリエスとは?

根面カリエス(根面う蝕)とは、歯ぐきが下がって露出した歯の根の部分に虫歯ができることです。
わかりやすいように、家の構造で例えてみましょう。
普通の虫歯は、歯のかみ合わせの部分にできます。家の構造で例えるなら、家の屋根や側壁に穴が開くイメージです。穴の開いた部分を詰めることにより、修繕は可能ですね。
歯周病は、家の土台が埋まっている土壌である地盤(歯が固定されている骨)が崩れ、家が倒れるイメージです。これは、土壌改善をしないと、家が助からないですね。そして、根面カリエスは、歯周病や加齢により歯ぐきが下がり、つまり地盤が下がり家の土台が露出し、その露出した土台が虫歯になり穴があき、土台損壊のイメージです。
最近の調査では、70才代の65%、80才代の70%が、根面う蝕にり患していると言われています。
歯の根面にできる虫歯は、大変厄介で、せっかく長年大事に残してきた歯を、失うことになる怖い病気です。
自覚症状はほとんどなく、根元の部分が虫歯になるため見えづらく、ご自分では気づかないため、進行してしまうのです。また、虫歯ができる場所が場所だけに治療がしづらく、対応に苦慮します。放置しておくと、歯が折れてしまうこともあります。

なぜ根面カリエスになるのでしょうか?

歯の根の表面は、エナメル質はなく、象牙質で構成されています。歯の根の象牙質は、エナメル質に比べて酸に弱く、エナメル質が溶けないような酸性度でも、歯が溶けてしまいます。
長年、虫歯にならずにかみ合わせの部分もきれいなままでも、根面は虫歯になってしまいます。
虫歯はお口の中の細菌が出す酸が歯を溶かすことで起きます。歯に付着したプラーク(細菌の塊)の中に、細菌の出す酸が増えていき、その酸と接した面から歯が溶けていきます。つまり、歯磨きとは、プラークを除去することで酸の発生を減少させ、それが虫歯予防につながるということです。
歯のかみ合わせの部分は、エナメル質と象牙質の二層構造ですが、歯の根は象牙質が主体となっています。象牙質は、エナメル質に比較して、有機質(コラーゲン)が多く柔らかい組織で、酸への抵抗も弱いのです。
お口の中は、通常は中性ですが、食事をすると細菌の出す酸により、pH値が下がり酸性に傾き、その後、唾液の緩衝作用により,徐々に中性に戻ります。
エナメル質はpH約5.5で溶け始めますが、象牙質はpH6.0~6.8と中性から少し酸性に傾くと溶け始めると言われています。つまり、食事をとると、すぐに超えてしまう値であり、象牙質は溶け始めてしまいます。そうであれば、どんどん歯が溶けて穴が開いてしまいますが、先ほどもお話したように、唾液の作用により再石灰化が起こることで、歯が溶けるのを抑制しているのです。ですが、「食事の時間が長い」「間食が多い」「甘いものをよく食べる」など、お口の中が酸性になっている時間が長いほど、歯が溶けるリスクは高まり、唾液による再石灰化も追いつかなくなってしまいます。

このように、エナメル質と象牙質の構造の違いが、酸により虫歯になりやすい差に繋がり、根面カリエスができやすい理由の一つです。今まで通りのケアで虫歯にならなかったとしても、根面が露出した場合は注意が必要となります。

次回は引き続き、根面カリエスの対処の難しさ、その予防についてお話しします。

富永歯科クリニック  院長 富永佳代子

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