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親知らずの抜歯について

2021年3月13日

こんにちは。大阪市福島区の歯医者「富永歯科クリニック」院長 富永佳代子です。

今回は、下の親知らずの抜歯についてお話します。皆さんの抜歯のイメージ「痛い」「腫れる」「抜歯に長時間かかる」「口腔外科医」「大学病院で抜歯」が、まさに「下の親知らず」です。下の親知らずが抜歯になる理由の多くは、「虫歯が進行して治しようがない」、「何回も親知らずの周りの歯肉が腫れた(智歯周囲炎)」、「横に倒れて中途半端に生えている」「親知らずが生えてきて、前の歯並びが悪くなった」などです。

下の親知らずの生え方は?

素直にきれいに生えている場合は、短時間で抜歯が終わり、腫れることもなく良好な経過をたどります。しかし、横に倒れていたり、斜めに生えていたり、中途半端に生えたまま途中で止まっている場合(半埋伏歯)または、全く歯茎から出ないで、下あごの骨の中に埋もれている場合(完全埋伏歯)は、歯肉を切開し、骨を削って歯の頭出しをする必要があり、長時間抜歯になります。
抜歯後、「腫れる」のは、骨の中に埋もれている歯を抜く場合です。骨を削るので生理的な体の反応として腫れてしまうのは、やむを得ないことなのです。

歯の根っこが曲がっていたり、根っこの形がねじれていたり、骨に絡みついていると、歯を分割する必要があり、抜歯に時間がかかり、抜歯部位に侵襲をかけてしまいます。その結果、腫れたり、痛みが出たり、内出血をしてほっぺたに紫斑(青タン)ができてしまうことがあり、「抜歯でつらい思いをした!」という嫌な思い出が残ることになってしまいます。

私も学生時代に、横に倒れて半分歯肉の中に埋もれている親知らずを抜きましたが、「悪いことをしてないのに、なぜこんな思いをするのか?」と抜歯の際中に、涙目になってしまいました。

歯科医、口腔外科医は、できる限り短時間で、侵襲を少なく、腫れないようにと思いながら、抜歯をするように心がけています。しかし、抜くためには骨を削る必要があると判断したなら、躊躇なく行います。その点はご理解ください。

抜歯後の後遺症

下の親知らずの抜歯後に起こる問題としては「ドライソケット」「下あごのしびれ感」があります。「ドライソケット」の症状は、抜歯後1~4日目は順調に治ってきていたのに、約1週間後から耳の下から顎にかけて四六時中痛みがあり、鎮痛剤を服用しないと生活に支障が出てきます。正常な治癒(治り方)は、抜歯した穴に、血餅(血の塊)ができて、かさぶたになり、穴がふさがってきます。

「ドライ=乾いた」「ソケット=抜歯窩(抜歯後の穴)」の言葉通り、血餅が消失して、骨がみえたままの状態です。なので、鎮痛剤がなければ、痛みが生じ、お口も開けづらく、食事もしにくく、かなりつらい状況です。原因はよくわかっていません。対処方法は、抜歯窩に食べかすが詰まらないように洗浄して、治癒を促進する軟膏薬の使用、抜歯窩に包帯替わりにパックをおいて、穴をふさぎ抗生物質で二次感染予防、鎮痛剤で痛みの軽減を行います。この処置をすれば、痛みは軽減して、約2週間~1か月で治癒していきます。

下顎のしびれ

下あごには、「下顎管」という神経が通っている管があります。この管の中には、動脈、静脈、神経の3種類のホースがあると思って下さい。三色ボールペンをイメージしてもらうとわかりやすいと思います。下の親しらずの根っこの先が、下顎管と近い場合、もしくは接触している場合に抜歯すると、神経線維をさわってしまったり、圧迫してしまい、一時的に神経が支配している領域(下唇、頬)にしびれを感じることがあります。この場合、神経の損傷を早く治癒させる目的で複合ビタミン剤を服用しますが、半年ぐらい治癒期間が必要となります。

防止策として、抜歯前にパノラマレントゲン、CT撮影(断層撮影)を行い、下顎管の位置を確認して、神経を傷つける可能性のある場合は、抜歯をしない方向で処置を考えます。抜歯をする場合は 患者さんに十分な説明をして、理解していただくことが大事になります。

以上、下の親知らずの抜歯に関して、お話しさせていただきました。

次回は「全身疾患と抜歯」に関してお話しさせていただきます。

院長 富永 佳代子

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