こんにちは。大阪市福島区の歯医者 富永歯科クリニック 副院長 赤野弘明です。マスクの着用が当たり前の生活になってしまいましたね。マスク着用により、ウイルス飛沫を防ぐことができますが、口臭を他人に感じさせる事も防ぐことができます。
しかし、そのため口臭に気づくことも少なくなってしまうかもしれません。口臭は歯周病の兆候の一つでもあります。
歯周病のセルフチェックをしてみましょう。
以下のような症状がある場合は、歯周病の可能性があります。
- 朝起きたとき、口の中がネバネバする。
- ブラッシング時に出血する。リンゴなどをかじった時に、食べ物に血がつく。
- 口臭が気になる。口臭を誰かから指摘されたことがある、
- 歯肉がむずがゆい、痛い。歯が浮いているような感じがする。
- 歯肉が赤く腫れている。(健康的な歯肉はピンク色で引き締まっている)
- かたい物が噛みにくい。(ものを噛まない時は痛まないが、物を噛むとじんわり痛い気がする)
- 歯が長くなったような気がする。歯が動いている。
- 前歯が出っ歯になったり、歯と歯の間に隙間がでてきた。食物が挟まる。
- 冷たい物や熱い物を食べるとしみる。
上の項目に3つ以上あてはまる
歯科医院を受診する必要があります
上の項目の6つ以上当てはまる
歯周病が中等度以上進んでいる可能性があります
上の項目の全部に当てはまる
歯周病がかなり進んでいる可能性があります
歯周病は大きく分けて、歯肉炎(炎症は歯肉のみに限局)と歯周炎(炎症は歯を支える骨にまで波及)の2つの段階があります。
それぞれの特徴は、
①歯肉炎
赤色の歯肉。
歯と歯の間の歯肉が丸みを帯び膨らんでいる。
ブラッシングで出血する。
腫れた歯と歯肉との間に歯垢が溜まり悪化する。
②歯周炎
赤紫色歯肉。
歯と接している歯肉が更に腫れる。
ブラッシングで出血や膿がでる。
歯と歯の間が広がり、食べ物もよく詰まる。
歯肉が退縮して歯が長く見える。
歯周ポケットが深くなり骨(歯槽骨)が溶ける。
歯周病は治る?
では、歯を支えている骨(歯槽骨)が歯周病菌によって破壊されていく歯周病という疾患は治るのかと思いますよね。
もちろん正しい治療を行えば病気の進行をストップする事ができます。但し、これは厳密な意味では治すというより、現状で進行を抑制するというのが一般的な歯周病治療です。
現在では歯周病は、予防、および治療も可能です。 大切なのは予防、診断、治療、そしてメインテナンスです。
近年、歯周治療は急速な進歩を遂げました。 以前は「不治の疾患」とさえ言われていた歯周病も、現在では進行を阻止することが可能となり、適応症であれば、失った骨を取り戻す歯周組織再生療法も可能となりました。このような骨を失った状態では、歯を支えている骨を再生させるために、骨移植材を用いたり、エムドゲインやリグロスといった、体が骨を作るときに積極的に分泌するタンパク質を用いて、骨形成を活性化させる(サイトカイン療法)ような方法も富永歯科クリニックでは行っています。
歯肉が退縮して歯根が見えてしまった場合でも、歯肉移植手術などを用いて、回復することが可能な場合もあります。
あくまでも、歯周病の原因は歯垢ですから、それを除去する事が基本です。
そのためには・・・
- 正しい歯ブラシの方法を毎日実行することです。歯の表面を歯垢のない清潔な状態にしておく事が何より大切です。
- 歯肉の中まで入っている歯石を完全に取り除き、さらに根の表面を滑らかにして炎症を引き起こす細菌を徹底的に除去することです。
- 傷んだ歯肉、骨を治療して健康に近い歯肉にすることです。
- 歯周治療が完了したら、健康の保持のため歯科衛生士による専門的なクリーニングなどのメインテナンスを定期的に受けることです。
まずは、歯科医院にて、歯周病の正しい治療を受けて、定期健診を行ってください。
富永歯科クリニック 副院長 赤野 弘明