こんにちは。大阪市福島区の歯医者「富永歯科クリニック」副院長 赤野 弘明です。今日は審美歯科治療のお話をしましょう。
審美歯科治療と聞いて、どのような事を想像するでしょうか?
美容整形手術のようなイメージでしょうか?審美を考える場合、どのような結果を期待するでしょう?当然、綺麗になりたいという欲求はみな同じです。審美を期待される場合は、大きく分けて二つあると思います。まず一つ目は美容整形手術的な希望です。現在の状態に満足していないので、人工物を使っても、元とは全く違う状態で、本人が考える歯の色などに変えてしまいたい。
つまり、元の形を踏襲しないで新たに美を求めるという事です。歯科矯正治療などは、この代表的な治療でしょう。
二つ目は、できるだけ生まれつき歯が良くて、治療などしていないというように自然な感じに見えるようにすること。つまり、歯の形や並びなど、現在の状態にできるかぎり調和させ、自然な状態を再現する事。これは改造してでも綺麗にするというような、美容整形的なアプローチとは真逆かもしれません。歯の色が少し濃くても周りの歯が濃い場合は、周囲の歯にできるだけ調和させるというアプローチです。歯並びや歯の形が理想的でなくても、それに調和させて自然を演出する。これも審美治療です。ピアノの鍵盤のように、寸分違わずきれいに並んでいる物は、審美と感じるでしょうか?
美容整形的な治療は、このように色も真っ白、綺麗に理想的に並んでいる状態ですね。これを審美ととらえるかどうかは、あなたがどうなりたいかという事の現れです。
あなたはどちらの治療が希望でしょう?これは、治療前にお互い確認して、認識しておく必要があります。
口の審美はとても重要です。雑誌で一人の人物を表紙1ページに掲載する場合、その人の口元は、だいたいページの中央に来るように配置されることが多いです。つまり、スマイルの写真に口元が綺麗であることはとても重要です。昔、芸能人は歯が命というコマーシャルがあったと思いますが、芸能人だけでなく口元の美はとても大切です。初めてあった人の第一印象に大きなインパクトを与えます。そして、人は3秒でその人を自分と合うか合わないかを決めると言われます。この3秒に大きなインパクトを与える口元を是非きれいにして、今以上に自信を持ちませんか?
審美というのは、口元においては、どのような部分が影響しているのでしょうか?
審美は、白い部分(歯)とピンクの部分(歯肉)の調和を見ているのです。白い部分もピンクの部分もシンメトリー(左右の調和)はとても大切です。
さらに、白い部分とピンクの部分の割合も大切です。歯肉が退縮して下がり、歯根が見えている場合は、ピンクの部分が少なくなって、白い部分の割合が多くなるという事です。これはやはり審美的ではありませんね。つまり、審美を考える場合、次の要点を満たす必要があるのです。
・シンメトリー(多少のシンメトリーの不調和は不調和の調和で、より自然観を演出しやすいのです)
左右の歯並び違う(1本だけ前にでているなど)
歯の色、形が左右で異なる
歯の先端の並びのラインが下唇のカーブに調和していない
ピンク(歯肉)と白(歯)の割合が、歯肉が退縮して、歯と歯の間に隙間がある
歯の萌出量が不足していて、歯が短かったり、笑った時に歯肉が見えすぎる
・ピンク(歯肉)のラインのシンメトリーと位置
左右で歯肉ラインが異なる
歯肉が退縮して、歯根の表面が見えている
これらの問題を解決するには、審美補綴(セラミックなどを用いて、きれいな歯の色、形を表現する治療)、歯冠長延長術、口腔前提狭小術、歯肉移植による根面被覆などを用いて行います。
審美歯科治療には、これらのテクニックを組み合わせて問題を解決していくことが多いです。ただ歯を削って被せるだけでは、これらの問題を解決できることは少ないと思われます。
コンプレックスを改善する事は、自分自身に自信を持てて、今後の人生に大きな意味を持つこともあります。歯のお悩みがあればなんでもご相談ください。
富永歯科クリニック 副院長 赤野 弘明