こんにちは。大阪市福島区の歯医者 富永歯科クリニック 副院長 赤野弘明です。いつもブログを読んでいただきありがとうございます。今回のテーマは、「笑うと歯ぐきが見えすぎて馬のようになる。治療方法はあるの?」です。
Gummy Smileという状態をご存じでしょうか?
写真のような状態です。
これはあまりにも極端な例ではありますが、雰囲気はこのような感じで、笑うと歯ぐきが見えすぎる状態のことを言います。
この原因として言われているのは、次の3つです。
歯の萌出異常(正常な位置まで萌出できず止まっているいわゆる萌出不全)
これはAltered Passive Eruption(受動的萌出不全)とも呼ばれています。完全に萌出せずに途中で止まっているために、歯の頭の部分(歯冠)自体が完全に見えていないので、通常より歯が短く見えます。
従って、審美的改善をするために、歯肉と歯の周囲の骨の整形を行って完全に歯が萌出している状態を作る必要があります。つまり、歯冠を覆っている歯と骨を除去する治療が必要となります。
骨の整形を行わないと歯肉の切除だけでは、すぐに元の状態に戻ってしまうからです。
上記の写真の症例は、この要因も含まれていますが、上顔面高が大きく、上唇を動かす筋肉の過剰機能という次の項目の要因も含まれている複合ケースです。従って、全ての治療が必要かもしれません。
上唇を動かす筋肉の過剰機能
これを改善する方法として、簡単に言うと上唇が動きにくくなる状態を作ることになります。口腔前提と呼ばれる唇の付け根から唇までの空間を小さくして、唇があまり上方に上がらないように整形する処置で対処します。
この写真は、私の医院に勤務するスタッフで、スマイルすると歯肉が見えるのが以前から気になっていたので何とかしてほしいと言われた症例です。この症例では、歯の萌出量は正常なので、①のAltered Passive Eruptionではありません。単純に上唇が動きすぎて上がってしまうのです。
口腔前提部の歯肉歯槽粘膜境から歯槽粘膜を切除し、縫い合わせます。切除した分だけ唇の動きが規制されるので、上方に上がらなくなり、歯肉の露出が少なくなるのです。
上顔面高(前頭鼻骨縫合の最前点~上顎中切歯間歯槽突起最前点)が大きい
骨格的に上顎の鼻から前歯の生えている所までの距離が長いために生じる現象です。つまり、骨格的サイズが通常よりかなり大きい場合は、外科的骨切除によって、上顔面高の長さを小さくしなければならないような場合もあります。私が、歯科医として患者さんを見た中では、1例ぐらいですので、かなりレアな場合だと思います。
昔は「歯を見せるな」と言われた事もありましたが、今は口角をあげて、バッチリ歯が見えるくらいのスマイルの方が素敵ですよね。でも、歯ぐきが見えることにコンプレックスを抱いている方も少なくありません。
そんな時は、悩まず、富永歯科クリニックにご相談ください。富永歯科クリニックのスタッフは、素敵なスマイルが見られるお手伝いをぜひしたいと思います。
富永歯科クリニック 副院長 赤野 弘明