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がん治療と歯の治療 Part3 お口のケア

2023年2月26日

こんにちは。大阪市福島区の歯医者 富永歯科クリニック院長 富永佳代子です。今回は、がん治療の副作用の口内炎のケアについてお話します。がん治療中でなくても、口内炎ができると痛くて食事がしにくいので、辛いものです。

歯の磨き方は

歯ブラシの選び方

抗がん剤治療中、頭頚部の放射線治療後は、お口の中の粘膜が傷つきやすくなっています。そのため、歯ブラシのヘッドがお口の中で粘膜にあたりにくいように、小さめを選びましょう。毛先は柔らかめで、歯茎への当たりを弱くしましょう。毛先がギザギザしていると、歯ぐき、粘膜が傷つきやすくなるので、平坦なものを選びましょう。

歯磨き方法

唇、舌、頬の粘膜に歯ブラシがこすれると、痛みとなります。歯の表側、裏側を磨くときは、歯の面に真横から歯ブラシを当て、毛先が曲がらないように横に細かく動かします。歯ブラシのヘッドに保湿剤を塗って、すべりをよくするのも効果的です。のどに口内炎がある方は、顔を下向きにして歯磨きをすると痛みが出にくいです。唾液はためないで吐き出しましょう。歯ブラシが痛いときは、スポンジブラシでお口の中の汚れを拭うのもお勧めです。

うがいの仕方

ブクブクうがいは、お口の粘膜の負担になるので、痛みを生じます。お口に水を含んだら優しく舌を動かして、水がお口の中に行き渡るようにしましょう。顔を下向きにしてうがいをすると、誤嚥防止やのどの粘膜の炎症の予防になります。起床時、食後、就寝前にはうがいしましょう。

歯磨き粉、洗口剤の選び方

お口の粘膜に刺激を与えないために、泡立ち成分(ラウリル硫酸ナトリウム)の含まれていない歯磨き剤をお勧めします。低発砲性や発泡剤無配合の歯磨き粉が良いでしょう。泡立ちが少ないと、うがいの回数が減り粘膜への負担が軽減します。洗口剤に関して、うがいでしみるときは、生理食塩水やノンアルコールの刺激の少ないものを利用しましょう。保湿剤が配合されているものがお勧めです。

舌の磨き方

舌の表面についた汚れ(舌苔)は細菌の温床で口臭の原因にもなります。舌は粘膜ですから、デリケートな組織であり、ゴシゴシ歯ブラシで磨くと傷つけてしまいます。スポンジブラシの利用をお勧めします。スポンジブラシに水を含ませ、圧をかけないように、優しく3~4回舌の奥から手前に引いてくるようにしましょう。

お口の乾燥

がん治療中は、唾液の量が減少するため、お口の中が乾燥しがちです。乾燥により、粘膜に傷ができやすくなったり、細菌が増殖しやすいため、口内炎が重症化しやすくなります。こまめにお口に潤いを与える必要がありますが、うがいをブクブク頻繁にすると粘膜への負担が増してしまいます。保湿ジェル保湿スプレーの利用をお勧めします。

歯のない方は

ご自分の歯が無くても、日々のケアは必要です。口の中の細菌は、舌や頬の粘膜の表面に生息しているため。お口の中は清潔に保つ必要があります。入れ歯のお手入れもいつもと同じように行い、清潔に保つようにしましょう。肺炎の予防になります。

金属の被せ物について

銀や金、合金などの被せ物は、放射線を反射します(散乱線)。このため、口内炎が起きたり、部分的に重症化したり、当てたい場所に放射線が照射できなくなったりします。昔は放射線治療前に、金属の被せ物の歯を抜いてもらうこともありましたが、現在は、患者さんのQOLが下がるのでそういったことはしません。「スペーサー」と呼ばれるマウスピース型の装置を装着して散乱線の予防を行います。被せ物を外す必要はないので、安心してください。

歯医者さんは何もない時から

歯医者さんは「痛くなってから行くもの」、「何も症状が無いから行かないもの」という意識を変えて、健康なときから定期的に歯科に通うことが、虫歯歯周病のリスクを減らし、将来的にご自分の歯を残せる可能性に繋がります。がんになってしまった時にも、歯医者さんは強い味方になってくれます。

富永歯科クリニック 院長 富永佳代子

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