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たばこのリスク Part2

2021年10月14日

こんにちは。大阪市福島区の歯医者 富永歯科クリニック 院長富永佳代子です。前回にひき続き、たばこのリスク、今回は特にニコチンのお口への影響をお話しします。

歯茎への影響

①炎症をおこしやすい

歯周病になっている場合、歯ぐきでは歯周病菌と体の免疫細胞が戦っています。その時に細胞から出てくる炎症性物質が歯茎の細胞やあごの骨の破壊を引き起こします。ニコチンはこの炎症性物質の産生を促進します。

②歯茎の弾力を失わせる

ニコチンは歯茎の内部の細胞の角化を進行し、弾力を失わせます。そのため、血流が悪くなり栄養の供給や老廃物の除去機能が低下します。

③細胞の脆弱化

ニコチンにより活性酸素や一酸化窒素が生成され、歯茎の細胞が酸化、老化します。

歯根膜への影響

歯根膜は、歯の根っこと顎の骨を結び付けている細胞です。ニコチンにより、歯根膜の細胞も歯茎の細胞同様、ダメージを受けます。そのため、機能が弱くなり、歯からはがれやすくなります。

顎の骨への影響

人間の骨は、一度できたらずっとそのままではなく、骨吸収(古い骨が壊される)と骨形成(新しい骨が作られる)が行われることで、健康な骨が維持されます。ニコチンは、歯茎の細胞を通りぬけて、顎の骨まで達することができます。骨の健康は、古い骨を壊す破骨細胞と新しい骨を作る骨芽細胞の働きによって維持されていますが、ニコチンはこのバランスを崩し、骨の破壊の方に傾けてしまいます。

ニコチンは歯ぐきやあごの骨の細胞に悪影響を与え、治癒を遅くするので、歯周病の外科治療やインプラント手術、抜歯の際に、禁煙をお願いするのです。

細菌叢への影響

ニコチンは、お口の中にいる細菌にも影響します。ニコチンを含むたばこ成分によりお口の細菌叢が悪性化し、歯周病菌をはじめ病原性の高い菌が優勢になります。

①歯周病菌への影響

ニコチンは歯周病菌の栄養となります。特に病原性の高いPg菌(ポルフィロモナスジンジバリス)は病原性が増加します。Pg菌の線毛が形を変え、歯茎の中に侵入する力がアップし、定着しやすくなります。また、ニコチンを含むたばこ成分は、身体の免疫反応をかく乱し、免疫細胞が集まるのを妨げ、細菌の生存力がアップします。

②虫歯菌への影響

虫歯菌には、「糖から酸を作る働き」と「糖からネバネバした粘着性物質を作って歯にくっつく力」があります。

ニコチンが存在すると虫歯菌は、酸を作る力がアップします。また粘着性物質を作る虫歯菌の力が増強し、歯の表面に菌と酸が長く定着します。粘着性物質は、細菌がバイオフィルム(細菌の塊)の形成を助けます。バイオフィルムは、虫歯菌を守るバリアとなり、生成された酸を内部にためることで、虫歯菌にとって快適な環境を作ります。つまり、歯の表面に多くの酸が長時間触れることになり、虫歯のリスクがアップします。

加熱式たばこの有害物質

加熱式たばこでも、ニコチンが含まれているので、お口への害は起こりえます。以下のような有害な化学物質が含まれています。

たばこ特異的ニトロソアミン 発がん性

多環芳香族炭化水素     発がん性

アルデヒド類        発がん性 呼吸器・心血管系への影響 依存性

揮発性有機化合物      発がん性 呼吸器・心血管系・生殖・発達への影響

一酸化炭素         生殖・発達への影響

ニコチン          生殖・発達への影響 依存性

紙巻きたばこの害が認識され規制され出したのは、1990年代後半です。加熱式たばこは、紙巻きたばこより有害物質の量は少ないとはいえ、0ではありません。化学物質の体への害は、量が少ない分だけ減るとは言えません。たばこは、「百害あって一利なし」と考えられます。お口の中の害だけでなく、全身への害も認識し、禁煙することを考えてみてはいかがでしょうか?

富永歯科クリニック  院長   富永佳代子

 

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