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歯周病と全身疾患 Part2

2021年10月4日

こんにちは 大阪市福島区の歯医者 富永歯科クリニック 院長富永佳代子です。前回に引き続き、今回は歯周病菌の一種であるPg菌(ポルフィロモナス・ジンジバリス)について、脂肪肝、脂肪肝炎の予防のお話をいたします。

どうしてPg菌が肝臓に炎症をひきおこすのでしょうか?

簡単に説明すると、動物実験からの推測ですが、Pg菌の表面に、LPS(リポポリサッカライド、リポ多糖)というとても毒性の強い物質が存在します。歯周病になっている歯があると、炎症を起こしている歯茎から、血中に菌が入っていきます。歯周病菌が血中に入ってくると、炎症を起こし、心筋梗塞動脈硬化の悪化を起こすことはよくわかっています。

肝臓にPg菌が入ると、菌から出る毒素LPSを肝臓が感知し、肝臓から毒素が出ないようにするため、エネルギーや脂肪を体に送る働きを停止します。すると外に送れないままなので、余計に肝臓に脂肪がたまります。溜まった脂肪が肝炎に繋がる理由は、まだ解明されていませんが、脂肪毒性により肝臓に炎症が起きるのではないかと考えられています。

歯周病菌には、様々な種類があり、どの歯周病菌が悪さをしているのか、確定はしていません。しかし、歯周病の治療をすると肝機能が改善することから、関係していることは間違いないと言えるでしょう。

飲酒を原因としない脂肪肝、脂肪肝炎の予防は?

以上、歯周病が肝臓の病気の進行を助長することをお話ししました。脂肪肝とその後の肝機能の低下を予防するにはどうしたらいいでしょうか?

脂肪肝の予防には、食生活の改善運動の励行が最も大事です。

①運動の励行

肝臓は一時的なエネルギーの貯蔵庫です。エネルギーの消費量が増えれば、肝臓に脂肪が溜まるのを防止します。

②食生活の改善

消費する以上のエネルギーの摂取が、脂肪肝の原因となります。食べ過ぎないようにするのが重要です。早食いは、満腹感が得れず食べ過ぎに繋がります。虫歯歯周病でしっかり食事を噛めない場合は、早急に治療を受けましょう。

また、果物の食べ過ぎに注意しましょう。果物に含まれる果糖は肝臓に溜まります。また、満腹感を感じないので、たくさん食べ過ぎてしまう傾向にあるので、気をつけましょう。

③睡眠時無呼吸の治療

睡眠中に酸欠状態になるとレプチンというホルモンが分泌され、肝臓に脂肪をためやすくなると言われています。

④お口の中から脂肪肝予防

前回にお話したように、歯周病を治療すると、肝機能の数値ALTが改善、軽度の脂肪肝炎ならば回復する可能性があるので、歯周病の方は、ぜひ歯科で治療を受けましょう。

追記  肥満が歯周病を悪化させる?

肥満は様々な疾患のリスクをアップさせることは、皆さんもおわかりのことと思います。肥満者は、細菌性感染症にかかりやすく、重症化しやすいのです。新潟大学の研究によると、肥満による腸内細菌の変化により、歯周病における骨の吸収破壊を促進するシステムが解明されてきています。今後、将来的に、歯周病の歯科治療に加えて、補助的にプロバイオティクスの研究開発が、期待されます。

疾病の原因、治療の開発は、研究者により進歩をとげています。現在のコロナウイルスに関しても、研究が進み治療薬が行きわたるまで、もう少しの状態です。虫歯の治療、歯周病の治療も、今後想像できないような治療が、開発されるかもしれません。私が大学生であった昭和の時代には、令和時代である現在の研究結果は想像することもできませんでした。医科歯科連携により、様々な病気と歯周病の関係が解明され、治療の発展が期待できることでしょう。

富永歯科クリニック 院長 富永佳代子

 

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