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歯周病と全身疾患 Part1

2021年9月29日

こんにちは 大阪市福島区の歯医者 富永歯科クリニック 院長富永佳代子です。今回は、歯周病と全身疾患の関係 特に肝臓との関係についてお話いたします。

歯周病が肝臓疾患に関係?

歯周病が、心疾患、呼吸器疾患、糖尿病、早産や低体重児出産など多くの病気に関係することがわかってきています。さらに、肝臓の病気に関係する可能性があると報告されています。

肝臓の病気は、お酒の飲み過ぎによる肝硬変、ウイルスによるB型肝炎Ⅽ型肝炎が挙げられます。また、成人の4人に一人がかかっている脂肪肝があります。脂肪肝は、肝機能の低下が起こりますが、それほど深刻ではありませんが、数十年かかって、脂肪肝炎、肝硬変、肝臓がんへと進行する可能性があります。特に飲酒を原因としない脂肪肝から進行する肝臓の病気に、歯周病菌が関係してるのでは?と考えられています。

隠れ脂肪肝に注意

脂肪肝には、飲酒を原因とするアルコール性脂肪肝(一日中瓶ビール3本以上飲酒)と飲酒を原因としない非アルコール性脂肪肝があります。日本でも飲酒に寄らない脂肪肝の人は約2300万人いると推定されています。また、瘦せていても隠れ脂肪肝になっている人も多いのです。

脂肪肝は、人間ドッグ、健康診断での腹部エコー検査、血液検査でわかります。血液検査では、ASTやALTの数値でわかります。特にALTの数値が脂肪肝の診断に重要で、肝機能が回復すると、ALTの数値は低下します。

脂肪肝の変化

脂肪肝は慢性的な肝炎に進行することがあり、肝炎の状態が長く続くと、肝硬変になります。肝硬変の一部は肝臓がんへと進行します。飲酒に寄らない脂肪肝の約2割の人が、脂肪肝炎になり、その2割が肝硬変、さらにその1~2割の人が肝臓がんになります。これらの変化は、ゆっくりと20~30年かけて進行します。10~15年前は、肝臓がんの手術は、9割以上がB型肝炎やC型肝炎による肝臓がんでした。しかし、現在は、半分がそれ以外の原因による肝臓がんで、その大半が飲酒に寄らない脂肪肝が原因と言われています。

歯周病菌との関連

ここまで、簡単に肝臓の病気を知っていただいたところで、テーマである歯周病菌との関連について説明します。歯周病は心血管系疾患、呼吸器系疾患、糖尿病、早産低体重児出産などさまざまな全身の病気に関係していると言われます。これまで、肝臓疾患との関係について研究されることはありませんでした。

ある大学病院で、飲酒習慣のない非アルコール性脂肪肝炎の患者さんが、重度の歯周病にかかっていました。この患者さんの歯周病治療を行い、歯磨き習慣歯石除去、抗生物質の投与を数カ月行うと、歯周病の症状は軽減、さらにALTの数値が低下、肝機能が改善しました。この事例から研究が始まりました。

脂肪肝炎と歯周病菌

本当に飲酒に寄らない非アルコール性脂肪肝炎の方は、歯周病になっているのでしょうか?
歯周病菌の中で、病原性の高いポルフィロモナス・ジンジバリスPg菌の陽性率を調査してみると、

健常者              21.6%

非アルコール性脂肪肝の患者    46.6%

非アルコール性脂肪肝炎の患者   51.9%

という結果でした。

その後さらに、動物実験を行いました。 ①通常の食事、②高脂肪の食事、③高脂肪の食事に加えPg菌を摂取させたマウスです。4週間後には、①マウスに比較して、②マウスは脂肪肝のまま体重増加、③のマウスは②以上に体重増加、肥満、脂肪肝炎を発症しました。

このことから、人間とマウスの違いはありますが、脂肪肝になっている時に歯周病菌であるPg菌に感染して高脂肪食が続くと脂肪肝炎になる可能性が高いと考えられます。

少し難しい実験のお話になってしまいましたが、次回はPg菌について、脂肪肝、脂肪肝炎の予防のお話をいたします。

富永歯科クリニック  院長 富永 佳代子

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