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舌について Part 2

2021年6月5日

こんにちは 大阪市福島区の歯医者 富永歯科クリニック 院長富永佳代子です。前回に引き続き、舌の病気「味覚障害」についてお話します。「味覚障害」という言葉を、最近コロナウイルス感染の症状の一つとして、聞きおよびかと思います。皆さんが思う症状は、「味が分からない、しない」ですが、それだけではありません。

味覚は、舌の表面の乳頭の中や、軟口蓋、咽頭の粘膜の中に存在します。味覚が減退する大きな原因は、舌乳頭が何らかの原因で委縮、減少し、それに伴い味センサーである味蕾(みらい)の数も減少し、味覚が減退することになります。

味覚障害の症状

①味覚減退 味が薄く感じる

②味覚消失 全く味がしない

③自発性異常味覚 口の中に何もないのに、常に味がする

④解離性味覚障害 特定の味(甘味など)でけがわからない

⑤味覚錯誤    本来の味覚と異なる味として感じる

⑥悪味症     食べ物が嫌な味になる

⑦味覚過敏    味を濃く感じる

一言で味覚障害を片付けるには、複雑で様々な症状があるのです。

原因は?

①口腔における障害:口腔乾燥症、舌炎、口内炎、口腔粘膜疾患、口腔カンジダ症、歯科疾患(虫歯、歯周病、義歯の不適合)による摂食障害

②味覚神経障害:中耳炎、神経麻痺、神経損傷

③脳における障害:脳腫瘍、脳血管障害

④全身疾患:糖尿病、風邪、腎疾患、貧血

⑤薬剤の副作用

⑥がん治療:抗がん剤の副作用、頭頚部の放射線治療

⑦栄養障害:食欲不振、摂食・嚥下障害、ダイエット

⑧嗅覚障害:慢性副鼻腔炎、加齢による嗅覚低下

⑨その他:心理的ストレス

このように味覚障害の原因は多岐にわたるため、原因を突き止めるのが難しいのです。

特に口の中の病気では、

唾液量の低下(ドライマウス)は、食物の中の味成分が唾液に溶け出す量が少なくなり、味覚センサー(味蕾みらい)に届かなくなります。

②舌炎、口内炎、口腔粘膜疾患は直接舌の上にある味覚センサーを傷つけるので味覚障害を引き起こします。

不適合な入れ歯、虫歯、歯周病は食事がうまく噛めず、食べられないため栄養障害を起こし、味センサーである味蕾が作られなくなります。

つまりほとんどの口腔疾患・歯科疾患が味覚障害に関係します。

高齢者に多い味覚障害

高齢者は加齢により、全身疾患有病率が高く、多くの薬を服用しています。また歯科疾患、口腔疾患が数多くみられるので味覚障害の原因となります。

ドライマウス(口腔乾燥症)では、唾液量が少なくなり、口腔カンジダ症や口内炎などが起こりやすく、また治りにくくなり、口の中の味覚センサーが傷つきます。健康な高齢者の4割に味覚検査異常が見られたという報告もあります。

味覚障害の検査方法、治療方法

残念ながら、歯医者さんで簡単にできる味覚検査法はありません。総合病院の味覚専門外来に検査依頼をすることになります。

前述したとおり、味覚障害の原因は多岐にわたるため、歯科治療のみで治すことは不可能です。つまり、医科・歯科の連携が必要不可欠となります。疑わしい症状をすべて解決していく必要があり治療期間も長期化することが予想されます。

最近の研究で、亜鉛等の微量金属元素が味覚に重要な役割を担っていることが明らかになりつつあります。亜鉛は体内で鉄に次いで多い微量金属ですが、手術や火傷で不足すると、味覚障害が起こります。特に病気もなく普通の生活を送っている人で、味覚障害を訴える人の血液検査をすると、亜鉛不足が認められることがわかってきました。亜鉛は、魚介類、肉類、種実類などに多く含まれています。大量摂取は、嘔吐、免疫障害、胃腸障害などの副作用もあるので、自己判断による接種は危険を伴います。味覚障害が疑われる場合は、専門家による受診をお勧めします。

お口の中の健康を守ることは、全身を健康に保つことに繋がります。虫歯、歯周病は放置していると必ず悪化します。気になることは、歯医者さんを受診、治療を行い、「味気ない食生活」にならないようにしてください。

富永歯科クリニック  院長 富永 佳代子

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