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歯根端切除術について

2021年5月15日

こんにちは。大阪市福島区の歯医者「富永歯科クリニック」 副院長 赤野弘明です。

本日は少し専門的なお話になるかもしれませんが、歯根端切除術という手術の内容についてお話します。

根管治療とは?

歯の治療をする時に、神経を取るという処置があるのを聞いたことがあると思います。では、なぜ歯の神経をとるのでしょうか?理由なく神経を取る事がありません。
通常は、虫歯が深くなり、虫歯部分に存在する虫歯菌の感染により、歯の中の神経に炎症を起こすために歯の神経を取ります。歯の神経は、いったん炎症をおこすと、元に戻る可能性がかなり低い組織です。そのため、いったん炎症を起こし、時間が経過すると神経が失活(神経活動がなくなる)し、壊死・腐敗を起こします。そして、細菌の感染が拡大し、根尖(歯根の先端)に波及し、根尖の部分の骨を破壊し、膿が溜まり、さらに悪化すると歯根嚢胞(しこんのうほう)という膿の溜まった嚢胞が形成されます。こうなると、自然治癒は望めません。
この原因となる細菌は、歯根内の根管に沿った象牙質内に潜んでいます。そのため、失活して根尖に炎症が確認されたら、これを直すために、象牙質内の細菌を除去する処置を行います(根管治療)。
しかし、感染範囲が広い場合や感染から時間が経過している場合は、根管治療で治癒しない場合が出てきます。こうなったら、この部分に存在する細菌を除去するには、抜歯(細菌のいる歯根を全て取り除く)か歯根端切除術(細菌のいる根尖部分のみを除去して歯を保存する)の二つの処置が選択肢となります。

歯根端切除術とは?

歯根端切除術は、できるだけ歯を保存する処置です。
但し、全ての歯に対して行なえるわけではなく、一般的には根が一つの歯(前歯、小臼歯)に対して行なわれます。大臼歯といった後方の歯は、術野が狭くなり、歯根の数も複数になるため、手術が困難となり、適応できない場合もあります。
ではなぜ、根尖部分の炎症は、抗生剤の服用によって治すことができないのでしょう?
通常、ケガをして、炎症を起こしたり、感染を起こして膿が溜まったりしたときに、抗生物質を処方されることが多いですよね。細菌感染であれば、抗生物質により、通常は治るはずなのに、なぜ、根尖の炎症には抗生物質は奏功しないのでしょう。抗生物質が効くためには、患部に血流がないと抗生物質が肝心の細菌が存在する部分に到達しないのです。歯の神経を取った歯根内は、神経とともに血管も除去しているため、歯根内に血管はありません。このため、歯根内に抗生物質を届けることができず、治すことができないのです。
この手術を確実に行うには、重要な三つの工程があります。①根尖部の切断、②歯根嚢胞などの病変の創は除去、③根尖部分の除去した根管充填剤の除去と閉鎖。この工程を確実にするためには、マイクロスコープが不可欠となります。

では、手術の内容を図で確認していきます。


術前状態は、根尖部に膿が溜まり、骨を破壊しています。歯根端部分の象牙質に細菌が存在します。
この膿や嚢胞の除去を行い、細菌感染した歯根端部分の除去を行うのが歯根端切除術です。


歯肉の切開を行い、歯肉を剥離し術野を明示します(歯肉弁の形成)。ここから病巣部にアプローチし、嚢胞を摘出します。


歯根端の感染歯質を切断・除去し、根尖付近の根管充填材を超音波チップで除去して、この根尖の穴をマイクロスコープで確認しながら、MTIという材料で封鎖します。骨の欠損部分には骨移植材を充填する場合があります。


歯肉弁を元に戻して、縫合します。
このようにして、病変と歯根の一部を除去して歯を保存します。
もし、歯根端切除術で、抜歯を避けて歯を保存できれば、非常にメリットの多い治療だと考えられます。富永歯科クリニックでは、副院長 赤野が施術いたします。

富永歯科クリニック  副院長 赤野 弘明

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